本音レビュー!BenQ ZOWIE XL2566K/XL2546Kの実力をチェック
BenQの競技向けモニター「ZOWIE XL2566K」を買ったので詳しく解説します。
XL2566K(360Hz)とXL2546K(240Hz)は、評判の良さからプロ/ガチFPSゲーマーだけでなく、一般ゲーマーにも非常に人気があります。
- アマチュアでも使いこなせるかしら …
- 360Hzと240Hzの違いは?
- 本音はどうなの?
と、気になっている人は、ぜひお読みください。
※リフレッシュレート240Hzの姉妹モデル「XL2546K」も、一般人だと使用感はほぼ同じです。あわせて参考にしてください。
BenQ ZOWIE XL2566K/XL2546Kの特徴とスペック
漢を感じる質実剛健なボディーデザイン。
反応の早いTNパネルに残像感を極限まで減らす「DyAc+」を搭載。
可動域の広い多機能スタンド、手元でかんたんに設定を変えられる有線リモコン「S.Switch」が付属。
およそゲーマーに必要と思われるサポート機能をふんだんに盛り込んだ究極の競技モニターです。
ちなみに240Hzと360Hzの違いを体感できる人間は極めて少ないと思われます。
プロゲーマーでなければ「XL2546K/240Hz」で十分な性能。
プロゲーマーや、プロでなくても最高級な物/武器が欲しいという人は「XL2566K/360Hz」がおすすめです。
XL2566KとXL2546Kの違い
XL2566K | XL2546K | |
---|---|---|
画面サイズ | 24.5インチ | ← |
解像度 | フルHD | ← |
パネル | Fast TN | TN |
リフレッシュレート | 360Hz | 240Hz |
応答速度 | 0.5ms(GtG) | ← |
残像低減 | DyAc+ | ← |
オーバードライブ (AMA) | 30段 | 2段 |
入力端子 | DisplayPort 1.4 x 1 HDMI 2.0 x 2 | DisplayPort 1.2 x 1 HDMI 2.0 x 3 |
HDR | なし | ← |
最大輝度 | 320 cd/㎡ | ← |
コントラスト比 | 1000:1 | ← |
モニターアーム | VESA 100 x 100 | ← |
リモコン | S.Switch | ← |
USBハブ | なし | ← |
スピーカー | なし | ← |
参考価格 | 100,000円前後 | 70,000円前後 |
最大リフレッシュレート、HDMIポートの数、オーバードライブ(AMA)のフルカスタムができるかどうかが主な違いです。
パネルのFast TNとTNの違いは、単純に「360Hzに対応しているだけ」と感じました。
オーバードライブをフルカスタムしたい人はXL2566Kの一択になると思います。
最初に知って欲しいXL2566K/XL2546Kのデメリット
このモニターはフルHD解像度でありながら、上位モデルのXL2566Kだと10万円もする高額な製品です。
買ってから「あ〜なんか失敗した(泣)」なんてことにならないよう、最初に強烈なデメリットを知ってください。
- 最高に汚い画質
- 目が疲れる
デメリットはこの2つだけで、逆にメリットの方が多いモニターです。
最高に汚い画質
左側のIPSパネルの方が自然な色合いです。
ぱっと見で分かると思いますが、TNパネルのXL2566K/XL2546Kは少し横から見るだけで色合いが崩れます。
正面から見ても黄色っぽいです。
設定で調整すれば少しはマシになりますけど、7〜10万円もするフルHDモニターとして画質はぶっちぎりに悪いと覚悟して下さい。
とはいえ我慢できないレベルかと言うと、「TNパネルはこういうもの」と知っていれば許容できると思います。
めちゃくちゃ競技性の高いFPSゲームだと、画面の真正面に座って張り付き状態になるので実用上はそれほど影響は無いです。
スピードと索敵に全振りしたモニターで、画質を落としてフレームレートを稼いでいる人にとっては大きなデメリットにならないでしょう。
PCの性能も、めちゃくちゃハイスペックである必要はないと思います。
目が疲れる(人による)
XL2566K/XL2546Kには「DyAc+」という優れた残像低減機能があります。
これはフレームとフレームの間に「黒フレームを挿入」して残像感を抑える技術で、仕組み的にはチラつきが発生し、画面が少し暗くなるデメリットがあります。
ただし、これは違和感を感じる人と、何も感じない人がいるようです。
私の場合は「チラつき」と「暗さ」は目視で感じないものの、30分ほどで目に少し疲れを感じました。
目視では認識できないほど高速でチカチカしていると思われます。
DyAc+をOFFにすれば何も問題ないけど、この機能を使わないならXL2566K/XL2546Kを買う意味はありません。
各所のユーザー評価を見る限り、多くの人に「問題なし」と評価されていますが、体質に合わない人もいると思います。
XL2566Kの開封チェック
箱は付属品が多いので、24.5インチとしては大きめ。
「MONITOR FOR e-SPORTS」とプリントされていて、eスポーツ向けの尖った性格であることが強調されています。
余計なお世話かもしれませんが、箱は捨てないで保管することをおすすめします。
修理や手放す時に便利です。
付属品はすごく充実しています。
- パネル本体
- アイシールド
- スタンド台座
- スタンド支柱
- S.Switch(有線リモコン)
- DisplayPortケーブル
- HDMIケーブル
- 電源ケーブル
- 保管用カバー
- 書類
※付属品は姉妹モデルのXL2546Kも同じです
最近のゲーミングモニターは派手に光るRGB LEDを内蔵していますが、本機にはありません。
人によって評価の分かれるポイントかもしれませんが、シンプルで良いと思います。
左下の設定ボタン類は、有線リモコンの「S.Switch」があるので使うことはないです。
VESA 100 x 100の汎用モニターアームに対応しています。
インターフェイスは左から以下のようになっています。
- 電源
- ヘッドホン出力
- S.Switch接続用
- HDMI x 2(240Hz)
- DisplayPort(360Hz)
姉妹モデルのXL2546K(240Hz)はHDMI x 3、DisplayPort x 1ですが、ほとんどの人はHDMI x 2で十分だと思われます。
側面のゴム(4箇所)を外してアイシールドを取り付けます。
アイシールドは画面の映り込み防止のほか、集中力を高める効果もあり。
可動域は180度で、後ろに倒して目立たなくすることも可能。
また、スタンド支柱の先端は取手になっていて、片手でひょいっと持ち上げられます。
本体の重量はカタログ値で9.7kg、パネルのみだと6.2kgです。
スタンドの高さは15.5cmの調整が可能(実測値)。
前後のチルト角は-5°〜23°
左右の首振りは45°
もちろん、縦画面(ピボット)もできます。
スタンドの台座と支柱にメモリが付いていて、設定した向きと高さの目印になります。
設置場所を変えても、瞬時にいつもの角度へ戻せるので便利。
台座部分は余計な出っ張りがなく、キーボード/マウスの配置が自然な位置になります。
最近は歪な形の足(台座)を持つモニターが多い中、非常に好印象。
背面に収納可能なヘッドホンフックがあって、非常に便利。
スタンドにはケーブルを通す穴があります。
左右のベゼル幅は約1.3cm。
好みが分かれそうですが、極太で耐久性が高い印象。
付属の有線型リモコン「S.Switch」。
ホイールの回転はカチカチとクリック感があるタイプで、押し込みと左右へのチルトが可能。
3つのプロファイルを瞬時に切り替えられるほか、入力の切り替え、モニターの設定も手元でかんたんに行えます。
なんと嬉しいことに、保管用のカバーまで付属しています。
ここまで気を遣ってくれる製品は他に無いでしょう。
ここまでをまとめると、スタンドの機能は「ぶっちぎりに優秀」。
ゲーマーのニーズをしっかりキャッチしていて、非常に好印象です。
XL2566Kの使用感をチェック
XL2566Kの使用感について、以下の項目を解説します。
極上の所有感
こんな戦闘力が高そうな見た目のモニターって、他にあるでしょうか?
まるで対空機関砲にも見える無骨なスタイルは、見ているだけでテンション上がります。
正面から見ると、メーカーのロゴマークや流行りのLEDといった装飾が一切ありません。
スポンサーを受けているプロゲーマーを配慮して、あえてシンプルにしていると思われます。
どれも似たり寄ったりなモニターが多い中、異彩を放った漢のデザイン。
好みもあると思いますが、カッコ良くて非常に所有感が高いです。
360Hzってどうなの?
BenQが公開している動画を見ると、360Hzの方が優れていると強調されています。
実際に優れているのでしょうけど、一般人だと違いは分からないと思います。
240fps以上って人間には識別不可能なのでは? … というのが本音。
とはいえ、最近は軽めのゲームだと240fpsに張り付いてしまうものもあります。
単純にフレームレートを解放したいとか、興味がある、使ってみたい、とにかく最強が良い … って理由だけでも十分です。
結局、自己満足できればOKだと思います。
DyAc+|残像低減
DyAc+(Dynamic Accuracy Plus)が、ZOWIEモニターの一番の武器です。
残像感を抑えつつ、オブジェクトの輪郭をハッキリさせる味付けもされています。
強度は「高」と「プレミアム」の2段階。
DyAc+の詳しい解説については、BenQの公式ページも参考にしてください。
DyAc+の効果も低ランクな人だと良く分からないと思います。
ただ、残像感はないので、すごく良い物というのは感じます。
どちらかと言うと、最強の武器を手にした喜びと自己満足度の方が高いです。
特定のFPSゲームに特化して「がっつりやり込んでいる人」なら、間違いなく良き相棒となるでしょう。
AMA|オーバードライブ
オーバードライブは色が変わるときに液晶素子へ高い電圧をかけて、色の切り替えを速くする技術です。
電圧のサジ加減が難しく、目標にしている色を飛び越えてしまうオーバーシュート/アンダーシュート現象があるのがデメリットと言われています。
強度は「高/プレミアム」の2段階。
さらに、XL2566Kだと30段階で細かく指定することもできます。
実際に試したところ、一般ゲーマーの私には肉眼だとさっぱり違いが分かりませんでした。
OFFの状態でもかなり完成度が高いと思われます。
試しに高速シャッターで確認したところ、「高」がもっとも自然で「プレミアム」は強すぎて逆残像が出ていました。
Black eQualizer
暗い部分を明るくする機能で、闇に溶け込んだ敵を索敵しやすくなります。
個人的に設定値は5〜10までが無難と思いました。
オリジナルのゲームの色合いを激しく壊すのがデメリットかな …と思います。
とにかく美麗なグラフィックスは無視して、索敵に専念したい人向け。
徹底したこだわりを感じます。
Color Vibrance(色の鮮明さ)
色の深みを調節する機能で、こちらも索敵に役立ちます。
背景の色に溶け込んだ敵を見つけやすくなるのがメリット。
こちらもオリジナルの色合いを激しく壊すのがデメリット。
とはいえ、ここまでこだわるのは単純にすごいと思います。
プロファイル
ここまで読んで、設定はちょっと難しいな … と感じた人のために、5つのプロファイルがあります。
シーンに応じたDyAc+のON/OFF、AMA強度、Black eQualizer強度などが調整済み。
まずはプロファイルを使って、いろいろ試すのが良いでしょう。
その他、ゲーマー1、2、3に設定を上書きできるカスタムスロットもあり。
合計8つのプロファイルを持てます。
個人的には「FPS2」が自然な色合いに感じました。
さらに、よく使うプリセットをS.Switchの「1」「2」「3」ボタンに割り当て可能。
瞬時にモードを切り替えられるので、すごく便利です。
XL Setting to Share
BenQが配布している専用アプリ「XL Setting to Share」を使うと、世界中のZOWIEユーザーが作成したプロファイルをダウンロードして使用することができます。
プロファイルの「ゲーマー1、2、3」に割り当てできるので、「ゲームタイトル別」など、目的に合わせて活用可能。
設定は感どころが難しいので、先人たちが作成したプロファイルを利用させてもらうのが手っ取り早いでしょう。
XL Setting to Shareのページから、主要FPSゲームのプロファイルをダウンロードできます。
評価とまとめ
XL2566K/XL2546Kについてまとめると、以下のようになります。
- 画質を落としてスピード重視でゲームする人
- 最高級な武器が欲しい人
- 映像美とスピードを重視する人
ガチなFPSゲーマーだったら文句なしのゲーミングモニターです。
ハマる人にはハマる絶妙な製品だと思います。
しかし、いろいろなジャンルのゲームを楽しむ人には、次のような評価になります。
おすすめ度 | |
自己満足度 |
かなりピーキーな性格なので使う人を選ぶモニターです。
FPSゲーム専用として所有するならOK。
これ一台でマルチに活用しようとしている人はヤメた方が良いです。
気になっている人はコストに見合った投資なのか、よ〜く検討してください。
とはいえ、プロも使うモニターなので、アマチュアが買っても満足度はかなり高いです。
例えるなら、超高級スポーツカーを渋滞まみれの一般道で乗ってるけど、好きだから不満はないって感じ。
一般ゲーマーやマニアにとっては自己満足できるかが重要となります。
デメリットを承知の上で最強の武器が欲しい人は、ぜひZOWIEモニターをゲットして戦場へ突撃してください。
▼最強武器なら360Hz!
▼240Hzでも十分な性能!